PRKは角膜の中央の表面に直接エキシマレーザーを照射する方法です。LASIKは角膜の表面を薄くはがし、はがした角膜にレーザーを当てる治療法です。両術式の違い等をご案内いたします。

PRK

角膜の表面中心部に直接レーザーを当てて、ごく少量の角膜組織を取り除き、角膜の形状を平坦化させる術法です。こちらのほうがエキシマレーザーによる屈折矯正の手術の原点です。LASIKに比べ、安全性と精度で勝っていますが、欠点もあります。LASIKは表面をまずカンナのようなケラトームではがし、はがした角膜の組織の下をレーザーで変形させてその後はがした角膜片をまた乗せる方法です。つまりレーザーで照射して角膜を成形させる方法は同じで、違いは角膜の表面を削ってするか削らないで直接するかの違いです。

これが術後の見え方、術後の痛みに違いがでる理由です。

手術時間は矯正量で異なりますが、数秒から1分以内です。手術の麻酔が20〜30分くらいで切れてきますので、その後に痛みが起きてきます。PRKでは傷の安定と痛みの軽減のために医療用のコンタタクトレンズを手術直後から3日目まで装用し、傷の治癒を促進させます。

直接角膜にレーザーを当てるPRKは傷が露出しているわけですから、当然術後に痛みが起きます。激烈ではなくやや痛いから結構痛いくらいまで個人差があります。しかし激烈な痛みがあるわけではありませんし、1日で痛みは改善します。

すぐには見えません。角膜の表面が凸凹しているからです。これが時間とともに平滑になってから視力が出てきます。3日から1週間でかなり回復しますが、1ヶ月でメガネくらいの視力が回復します。その後も徐々に視力は回復していきます。傷の安定には1年くらいは必要と思ってください。

LASIK

簡単にいえば、PRKに角膜の表面を薄く削る方法が加わったものと思ってください。

PRKには軽度ながら痛みを伴う欠点があります。また傷口が術後露出することも感染の機会を増やすことになります。

そこで角膜の表層ををマイクロケラトームというカンナのようなもので削り、露出した角膜の表面にPRKを行い、その後角膜表層を元に戻すというやり方をしますと、痛みや感染の機会は大幅に軽減されます。これがLASIKです。上皮を残すため痛みや感染症の心配が比較的少なく、高度近視までをカバーできる手術方法とされています。

レーザーをかけた表斤は凸凹していますが、削った表層の角膜をかぶせることにより、平滑となり、視力もPRKに比較し術後すぐより、ある程度の視力の回復が得られ、術後1週間ほどで90%の視力の回復が可能です。しかし、角膜の表層を削ることが、手術の合併症を多くし、手術時間もPRKと比較して長くなり片眼5〜10分くらいになります。

痛くてもよいから、確実に治療したい方はPRK,痛みがなく早期に視力を出したい方はLASIKということでしょうか。アメリカではLASIKが始められるようになり、飛躍的に屈折矯正手術の例数が多くなりました。






RK

その他の矯正手術の方法に RK があります。この手術は角膜周辺部に放射状の切開を入れ、角膜中心部のカーブを変えて視力を改善します。レーザーではなくメスを使用する古典的な術式ですが、歴史的には一番長く行われています。


簡単にPRK、LASIKの利点と欠点を述べます。

  PRK LASIK
利点 ◆合併症が少ない
◆ボクサーなどもできる
◆手術時間が短い
◆術後の乱視が少ない
◆費用が安い
◆痛みはほとんどない
◆角膜の糜爛(びらん)は軽度
◆角膜混濁はおきにくい
◆グレア、ハローが生じにくい
◆早期より視力が回復
欠点 ◆術後の痛み
◆術後角膜の廉爛
◆角膜の混濁
◆グレア、ハロー
◆視力の回復に時間がかかる
◆ケラトームの合併症がある
◆眼を打つ可能性の高い人はできない
◆やや手術時間が長い
◆術後の乱視が起きることあり
◆手術費がやや高い

※…詳しくは下記《合併症》の項以下をご参照ください。


PRKの合併症

合併症のない手術は何もしない手術です。つまり手術をする限り合併症は頻度は少なくとも必ず起きるものです。100%うまくいく手術はありません。エキシマレーザーはコンピューター制御ですから手術中の合併症は患者さんが目を大きく動かしてしまうとか、初歩的なミス以外は起こりえません。手術後の合併症がほとんどです。

1)ハロー
最も多い患者さんのクレームです。スポットライト、車のヘッドライトのような丸い光源を見た時に気がつきます。光源の周囲にもやのような、虹色のようなぼうっとした光を感じるものです。これはレーザーを受けたちょうど健常な角膜との境での光の乱反射により生じるものです。強い近視を矯正した場合に頻度が高く6〜8%くらいです。弱い近視の方ではその頻度は少なくなります。
2)グレア
これはまぶしさを感じることをいいます。特に夜間に感じます。強いと夜間の視力低下を訴える方もいます。角膜の表面が不整である為におきるもので表面が平滑こなるに従い減少していきます。
3)角膜上皮下混濁
レーザー照射後の組織反応で削った角膜の組織が、ややにごる状態です。肉眼では見えず、顕微鏡的な濁りで手術後2週あたりから、1〜2ヶ月で強まりその後徐々に減少し1年で消失します。








LASIKの合併症

ケラトームで角膜表面を削る手術方法ですので、これによる合併症が大半ですが、この操作が加わることから、PRKで生じた合併症はほとんどおきません。機器の改良とともに以前と比較し、ケラトームの合併症は格段に少なくなっています。その進歩は日進月歩の状態であと5年もすれば、ほとんどなくなると思います。

1)角膜片の離断
角膜を削る時に、通常は角膜の一部をつけたままにしておくのですが、それがすぺて切断されてしまうものです。Free Cap といわれるもので、削った角膜片が帽子状に取れてしまうものです。大きな合併症にはなりませんし、当院で使用するケラトームでは通常ほとんど生じない構造となっており、まず発生頻度の少ないものです。
2)乱視
これはPRKでもおきますが、患者さんの眼の固視ずれから起きることがあります。角膜片を戻すときにしわができたときにも起こります。
3)グレアと夜間視力
高度の近視を矯正した場合に生じることがあります。-6D以下程度ではおきることはほとんどありません。起きても1ヶ月くらいで消失します。夜間のグレアは全体の2%の患者さんに夜間の運転時に発生することがあります。暗くなるとぽやけて見えたり、ゴーストやハローにより物が2重に見えるようになります。夜間の視力もほぼ同じで通常は低下しませんが、高度な近視を矯正した場合に起こることがあります。これも6ヶ月くらいで消えます。
4)角膜のしわ
角膜片を戻すときにおきたり、術後に強く目をこすったりした場合に起きることがあります。軽度のもの、瞳にかからないものは放置しても問題ありません。
5)角膜下の異物
手術機械に付着したものがついたり、瞼の油が入ることがありますが、通常は問題ありません。
6)角膜上皮の増殖
角膜の上皮細胞が角膜片の下に侵入したものです。原因は角膜片の操作の問題が主なものです。


非常に少ないのですが、PRKで 1/1000、LASIKで 1/5000 といわれています。